『おやじグラフィティ』 20010205

この作品は、「親子交流の在り方は、親からの一方的なものではなく、双方向的なものであるべきだ」をテーマとしているようだ。

単身赴任から戻り、父子関係の在り方を模索する林(父)は、自分なりの結論「よしっ。言うべきことは言った」を見いだした。しかし、それは望ましい結果には結びつかなかった。そして、彼は、加納家の母子関係を見て、自分たちの父子関係の在り方を反省する。

この構造において、落書きや万引きは2つの軸をつなげる役割を果たしているにすぎないし、真彦の話の内容そのものも、それほど重要なファクターではない。よって、作品の落ちが「ちなみに…」であることは重み付けの点で適切でないし、「一晩かけて説得した」であったとしても同様である。

むしろ、「それからじっくり息子の話を聞いた」で終わらせた方がエレガントであったように思う。

なお、この作品は子供側の視点で読んでみるのも面白い。父親が戻ってきたことが、林真彦にどのような影響を与えたのか?、などなど。

備忘

林(部長)、母、真彦(高校1年生)、モモちゃん(犬) 加納さん(3丁目)、翼(中学生)。1993年9月15日、新居。西部池袋線、準急停車駅。

Satoshi ARAI ( arai@rumic.gr.jp )